最近、パニック障害を公表する方が増えていますね。
芸能界では長嶋一茂さん、堂本剛さん、最近ではキンプリの岩橋玄樹さんも。
でも芸能界の中でも公表せずに活動を休止されている方も多いと思います。
これは一般の方も同じこと。
あなたはパニック障害を周りに言っていますか??
今回は周りに公表するべきかどうかについて記したいと思います。
パニック障害を周りに言っていますか?
この記事を読んでいる方の多くは、パニック障害に悩まされている、もしくは家族や友人などが悩んでいるというという方でしょう。あなた、もしくはあなたの周りの方はパニック障害のことを周りに話していますか?
公表していますか?
知り合いの中で私と同じくパニック障害に悩まされている方は今のところ2人知っていますが、お二人とも周りには言っていないタイプでした。
私の感覚では、周りに言っていない方が多いように感じます。
しかしツイッターなどのSNS上だと公表している人が多いようです。
これはインターネット上なら匿名にできますし、その状態で同じくパニック障害で悩んでいる人と悩みを共有したいという思いからだと思われます。
しかしリアルの世界になると、やはりパニック障害のことを他人に知られたくない、と思う方も多いみたいですね。
弱点を他人に晒したくないという生き物の本能もありますから、仕方ないことでしょう。
パニック障害を周りに言うとどうなるか
私もかつては周りに隠していました。
隠す、というか話していないという感じですね。
やはり目に見えたり、検査の結果で異常が出る病気と違い、パニック障害はご存じの通り心の病。
どうなったら体調が悪くなるとかは人によって様々ですし、予測できないパターンでパニック発作が起こることもありますから、大丈夫かもしれないし、大丈夫じゃないかもしれない。
絶対体調が悪くなるわけじゃない。
だってなんともないときは本当になんともないのですから。
だから何でもないときに「私、パニック障害なんです」って言うのも何だかなぁって思っていたんです。
だけどパニック障害になると、突然のパニック発作からの体調不良で、他人との約束をキャンセルしなければならないときも出てきます。
以前は「ちょっと体調不良で…」と言っていましたが、ある日ふと
『もう周りに言っておこう!』
と思ったんです。
そこからは日頃会う人、仕事関係で会う人に
「実はパニック障害を抱えていて、今は外に出るのがとても怖いんです。」
と正直に話すようにしました。
初めて話すときは心臓がバクバクで怖かった覚えがあります。
頭がぐらぁっと傾き、溢れそうな涙を堪えて少しずつ話しました。
涙が出るのは感情が高ぶるからなんでしょうかね。
でも実際話し終えてみれば、すごくスッキリした感覚がありました。
「ああ、これでもうこの人は自分が発作を起こしても助けてくれるんだ」と安心したんです。
パニック障害を周りに言うべき理由
なぜ私が安心できたのか?
それはまだ自分がパニック障害になったばかりで、まだパニック障害だと気づいてなかった時のことです。
その日私は仕事関係で一人で都市部に出ていました。
お昼ごろに予測もしていなかった出来事でしたが、仕事の大先輩ばかりが集まるお茶会にお誘いいただいて、同席させてもらうことになったのです。
名前だけは存じ上げていたけれど、一度も交流していなかった先輩方。
親子ほど年も離れ、仕事のキャリアも数十年違うような大先輩です。
当然緊張はピークに。
元々知らない人との交流が苦手な自分なのでなおさらです。
生きているような心地がしないほど緊張していました。
無事にその時間を乗り越え、帰路につこうと駅に着いたとき、急にお腹が痛くなりました。
今から考えると、それは過敏性腸症候群のせいだったと思われます。
最寄りの高島屋のトイレに寄ったら、突然のめまい、動悸。
過去の経験からこれは倒れる!意識を失う!と思った私は、たまたま通りかかった清掃の方に助けを求めました。
そこからサービスカウンターの方が来ていただき、車いすで私を人気が少なく横になれる長椅子のところまで運んでくれました。
更にはブランケットと冷たいお水も用意していただきました。
しばらく休んで(というか、半分寝てました)、落ち着いてから無事家に帰ることができたんです。
少し長くなりましたが、こうした経験から私はいざとなったら他人であっても誰かが助けてくれる、という成功体験をしていたんです。
ですから
自分の病気を把握してくれる=いざとなったらちゃんと助けてくれる
という考えになったのでしょう。
それに病気のことを言っておけば完全に理解されなくても、約束をキャンセルしてしまった時でも納得されやすいと思います。
パニック障害を周りに言わないことがパニック障害の原因?
パニック障害のことを周りに話していない方の中には
「迷惑をかけたくない」
「余計な心配をかけたくない」
「どうせ話しても理解されない」
と思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし迷惑をかけたくない、理解されないから自分で何とかしよう、と思うという考え方自体が、私はパニック障害になってしまった原因の一つではないかと考えています。
パニック障害になってしまう方の中には
・完璧主義者
・真面目
・他人に頼らず何でも自分でやってしまいがち
・問題は自分で解決する
という方が非常に多いようです。
何だか苦しい、怖い、動悸が止まらない→自分でなんとかしよう→なんとも出来ない、苦しい、でも他人に助けを求められない…
パニック発作はそんなことが頭の中をグルグル…
度々そんなループに陥ってしまいます。
私もそんな感じでした。
パニック障害のことを話しても、残念ながら確かに理解されないこともあります。
しかし私が見てきた中では、そんな方は一部です。
大半の方はあなたが具合悪そうにしていたら、ちゃんと心配してくれますし助けてくれます。
だからどうか、たまたまあなたのパニック障害を知った方が理解してくれない人でも、あきらめないでほしいと思います。
そして、どうか他人に頼る勇気を持ってほしいと思います。
もしあなたがパニック発作を起こしてしまって誰かに助けられたとしたら、その人に迷惑をかけてしまった!申し訳ない!と思うのではなく、助けてくれてありがとう!あなたが困ったときは今度は私が助けます!と思うようにしてもらいたいと思います。
人はギブアンドテイクの関係で成り立っています。
誰かに助けてもらったら、今度はあなたが誰かを助ければいい。
まずは他人を頼る勇気が大切だと思います。
誰かを頼りにすることは、全然問題ありません。
迷惑だなんて思う人は、ほんの一握りです。
だからこそ、私はパニック障害を周りに言うことをおすすめしています。
パニック障害を公表することは
「私に何かあったら助けてね」
という「人に頼る勇気」の第一歩だと思います。
まとめ
パニック障害を周りに言うことを私はおすすめしていますが、もしかしたらそれが正解でない環境もあるかもしれません。
あくまでも「この人なら大丈夫!助けてくれる!心配してくれる!」という人に話すべきでしょう。
公表したことであなたがもっとつらい思いをしてしまっては、元も子もありませんから。
個人的には同性、同年代の方、もしくは自分より少し上の年代の方にお話しすると、理解が得られやすいと思います。
パニック障害のカミングアウトについては、あくまで私個人的な経験からの意見になりますので、絶対ではありません。
保障もありませんが、私個人の経験で良かったよ、というお話でした。